患者の死と向き合う看護師を支える方法

看護師という仕事に就くと、所属する科によって差はあるものの、いつか患者の死と向き合わなければならない時があるでしょう。
自分が献身的にケアをしてきた患者が、できる限りの看護を行ったにもかかわらず亡くなってしまうことは看護師にとって大変辛いことです。
重篤な患者が集まる子ども病院などでは、実際に小児患者の死と直面することも少なくありません。
看護師はこうした現場に勤める以上、それなりの覚悟を決めて勤務することになりますが、自分の担当していた小児患者が何人も亡くなっていくと心理的ダメージを受け、次第に耐え難くなり他の科に移ってしまうという例も珍しくないのです。

このような看護師の心理的負担を看過することはできないため、現場では様々な工夫がなされています。
従来はプライマリーナーシングと言われる、一人の患者の入院から退院までを一人の看護師がケアを行う看護方式が主流でした。
この方式では一人の看護師が責任を持って看護にあたることができますが、患者が亡くなった場合の精神的負担を看護師1人が負う可能性が高くなります。
これに対して、新しく導入されるようになったチームナーシングという看護方式では、一人の患者を複数の看護師がケアします。
すると、患者が亡くなった際にもデスカンファレンスといったミーティングの場で看護師たちが患者の死を悼む心情を共有でき、一人の看護師に精神的負担が集中することを避けられるのです。